診療のご案内診療方針

あすなろ動物病院の診療に関する考え方をお話しさせていただきます。

現在、少子化や核家族化、また高齢化による単身生活者の増加という社会的背景も手伝って、多くのご家庭で様々な動物が飼育されるようになっています。この数は年々増加傾向にあり、「ペット」にとどまらず、「新たな家族」として動物を飼育する人間にとって、その存在意義は極めて大きなものになっています。

大切な家族の一員であるからこそ「いつまでも健康でいてもらいたい」

これは誰もが抱く願いです。
日頃、臨床獣医として仕事をしながらいつも感じることがあります。
「なんでもっとはやく診させていただくことが出来なかったんだろう・・・・」ということです。
それは仕方のないことです。動物が言葉を話して伝えてくれるわけではないのですから・・・・。
いよいよ「症状」として現われてきたときには、病気は相当進行していることが多くあります。
したがって・・・・・

「動物病院=動物の調子がおかしい時に行くところ」という式に
「動物病院=動物の健康維持のために行くところ」という式を加えていただけるように情報を発信しつづけていきたいと考えております。

動物も人間と同じように様々な病気にかかります。病気にかかった動物を目の前にした獣医は、動物が本来持ち合わせている治癒力を様々な方法で引き出し、手助けしてあげることしか出来ません。 病気を治すのは「動物自身」であることを飼い主さんも獣医も理解し、お互いに協力して動物を助けてあげたいものです。飼い主さんの愛情はなによりの良薬です。

Point1獣医は治療をし過ぎることなく、じ~~と、よ~~く動物の様子を見ること

Point2飼い主さんは治療中の動物の治癒力を信じて見守る勇気をお持ちになること

Point2獣医と飼い主さんが協力することにより、治療のタイミングを逃さないこと

この3つがとても大切であると考えています。

言葉で意思を伝えられない動物の“SOS”を、飼い主さんに“伝える”手助けをするのも重要な臨床獣医の役目であり、そのためには獣医自らが健康な動物と積極的に接し、「普段の状態」を知っておく必要があると思います。そうすることが本当の意味での「かかりつけ獣医」になるための第一歩だと考えます。しかし、病院の診察台の上では、動物は緊張と本能でなかなか「普段の状態」というものを私達にみせてはくれないものです。

特に猫は単独生活を好み、テリトリーが明確で環境の変化を受け入れにくい性質をもつため、病院での緊張は極限状態にあることが多くみられます。猫の「普段の状態」を知るためには飼い主さんの細かい観察に基づいたお話を聞かせていただくことがとても大切なことになります。

一方、社会性の強い犬は、私達に容易に「普段の状態」をみせてくれるはずですが、病院内ではなかなか難しいのが現実です。そこで、ドックラン(犬の運動施設)を併設しました。遊びのなかで見せてくれる真の表情は、飼い主さんにとっても獣医にとっても宝ものです。

犬が犬らしく健康に生きるためには適度な運動が必要不可欠であることは周知の事実ですが、犬を安全にのびのびと散歩させようとしても衛生・安全上の問題から公共の場で受ける制約は大きく、入園禁止の施設も多くあります。これは然るべきことであり、今後も大きく変わることはないと思われます。従って、飼い主さんが安心して犬を開放し、十分に運動させられる場所を提供することの意義は大きいと考えています。

動物の選び方・しつけ・食事・運動・リハビリ・健康管理・繁殖・病気など、多くの情報が氾濫する中で確かなものを、この施設を通して発信・交換していきたいと考えています。

さらに、動物の持つ「温かく神秘的な力」を借りて、様々な理由で動物を飼えない方々や動物に興味を持つお年寄りの交流の場、セラピーの場として利用できる施設を目指していきたいと考えています。

以上、「動物の健康管理を通して人の生活を支援する」ことで、皆様の幸せのお手伝いをさせていただきたいと思っております。